2014年09月28日

授豊の会&公開講座

きもの文化の推進発展に寄与するための研究・発表

ならびに会員相互の親睦をめざす活動を続ける「名取授豊の会」。

9月28日 小林豊子きもの学院北海道 札幌校にて

第23期研修講座を開催いたしました。

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まずは全員で、初代 小林豊子宗家の提唱する

五つの思い」を唱和いたします。

一、私は憂います

きものを忘れることにより

日本の心が失われることを

一、私は信じます

きものを愛しむ心が

優しい心を育むことを

一、私は務めます

美しく装う為の

技と心を磨くことを

一、私は希います

美しいきもの姿が

日本中に満ち溢れることを

一、私は誓います

民族衣装を通して

世界平和の一助とならんことを

思いをひとつに、本日の研修は

初代宗家が考案された「栂」をイメージした帯結び。

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栂(つが)は

「・・・神さびて 立てる栂の木 幹も枝も 同じ常磐に・・・」

と万葉集に歌われるとおりの常緑樹。

常に瑞瑞しい感性を持ち続けられるよう

帯びに願いを込めて結びます。

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信田豊愁 授豊の会会長が結ばれる様子からは

複雑さは感じませんが

いざ、とりかかると

美しい形を作り上げる裏には

緻密な技術を要することがわかります。

技術の完成にはまだまだ研鑽が必要です。

 

午後からは様々な和の文化を

どなたでも受講いただける公開講座。

今回は「日本の心、和の心」と題し、

小林豊子きもの学院 信田豊愁北海道学院長が

いくら語っても語り尽くせない「家紋」について

生活に密着した観点からお話しいただきました。

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その中で

江戸 徳川の武士が食べてはいけないとされていた野菜をご存じですか?

との問いが。

答えは「きゅうり」

輪切りにしたきゅうりは徳川家の家紋「三つ葉葵」に似ている

というのがその理由。

面白い!ですね。

信田学院長は

「代々のお墓でさえも潰されてしまう時代の到来、

家紋を伝える術を真剣に考えなければ」

とおっしゃいます。

日本の心は「惟神(かんながら)の道」、

人為の加わらないまことの道にあります。

互いに福をもたらす願いを形に、

それが和の心です。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

次回、春の公開講座にてお会いいたしましょう!