2014年06月02日

伝えたい、文様の心 (3)

日本には古くから受け継がれている民間信仰が

生活の中に深く根ざしています。

子どもが生まれるとお宮参りに出かけたり

無事の成長を祈る七五三、結納、結婚等

その都度、吉祥の意味を持つ文様のきものに袖を通し

健康で幸せな日々を送れるようにと

心の願いを文様に託しました。

 

【 亀甲文様 】

亀甲文様

シルクロードを渡ってきた伝統文様で

亀の甲に似ているところから名がつきました。

正六角形の幾何学文様で長寿吉兆を願うめでたいもので

西アジアに古くから伝えられています。

日本では正倉院の裂地に残る有職文様として定着し

能文様から組紐まで染織品の文様としても好まれています。

 

無事の成長や延命長寿を願う文様

【 麻の葉文様 】

麻の葉文様

正六角形を基本にした麻の葉つなぎは

子供の産着に用いられ

麻のように早い成長とまっすぐにすくすく育って欲しい

との、親の思いが込められる伝統文様です。

歌舞伎の中で

「八百お七」「油屋お染」の衣裳としての人気もあって

1820年頃より大流行した文様です。

 

【 薬玉文様 】

薬玉文様

5月5日の端午の節句や9月9日の重陽の節供等に

邪気を避けるものとして「薬玉」をつくり、柱にかけました。

香や沈木、丁字などの薬を玉にして錦の袋に入れ

5色の糸で飾るもので、平安時代から贈答に用いました。

「薬玉文様」は華麗に文様化し

七五三や女の子の祝着に用いられ

現在に伝えられています。