<平安朝>公卿小直衣〈狩衣直衣〉

<平安朝>
公卿小直衣〈狩衣直衣〉
(くぎょうこのうし〈かりぎぬのうし〉)

第14回きもの展作品
公卿小直衣〈狩衣直衣〉

「台記(たいき)」の久安4年(1148)9月11日

宇治左大臣・藤原頼長は高野詣に「狩衣直衣(かりぎぬのうし)」を着用したことを記しています。

その姿を想定し制作したものですが表地 白地紋綾紫向唐鳥文(しろじもんあやむらさきむかいからどりもん)裏地 紫平絹無地(むらさきへいけんむじ)「菊重ね(きくがさね)」としています。

この装束の誕生は平安朝末期と考えられますが上皇の御料となったのは鎌倉時代と思われ「甘の御衣(かんのおんぞ)」と呼んでいます。

明治維新後は再興された「節折の儀(よおりのぎ)」などの際に天皇が御小直衣をお召しになり天皇の御服六種の一つになっています。